ぴーまんじゃなくて、ぴーめん

教室に入ったら陽菜に抱きつかれた。

「わっ!もうっ、陽菜〜!びっりした笑」

「えへへ、ごめんごめん笑 おはよ!それより聞いてよ!大ニュース!!!!」

そうやって笑う陽菜は、ほんと可愛い。

「どうしたの?」

話を聞きながら席に座る。

「キャンプの行き先、決まったって!」

「えっ!!どこ!?」

「海だよ!海!」

「やった!!」

嬉しすぎる!

「しかもだよ?3組と一緒に動くんだって!」

陽菜には、3組に彼氏がいる。だからすごく嬉しいみたい。

「よかったね!」

そう言って笑う。

本当は私もすごく嬉しい。

でも陽菜には、蓮のことが好きなのは言っていない。

というよりも誰にも言っていない。

だから、3組と一緒に動くことについて、素直に喜べない。

陽菜を信頼していないから、言ってないんじゃない。

むしろ、陽菜を信頼してる。

でも、言い出せないのには、理由がある。