ぴーまんじゃなくて、ぴーめん



今日は、祝日だけど早く起きた。

お化粧もした。

150cmと小さいことがコンプレックスの私だけど、今日は少しかかとの高いヒールを履いてみた。

少しでも背の高くて、大人っぽい美麗ちゃんに近づきたくて。

でも笑顔は忘れない!

「おはよう!」

みんなに挨拶した。

「よし、これで全員揃ったな!カラオケ行こーぜ!」

カラオケはすごく楽しくて、あっという間にお昼になった。

「ご飯、予約してあるから行こー」

さすがだな。

お腹すいたから楽しみだな!

みんなで歩くのも楽しかった。

(痛い)

でも、ヒールを履いてるから足が痛い。

(あ。)

靴ずれして血が出ている。

歩くたびにズキズキ痛む。

ヒールなんかで来るんじゃなかった。

「みんなごめん」

そう言ったのは鈴野くんだった。

「俺、有村と2人で抜けるわ」

え。

「わかった!楽しんでね!」

みんなはニヤニヤしながらそう言った。

「有村、とりあえずここにあるカフェ入ろう」


「う、うん。」

あんまり状況が飲み込めないまま、鈴野くんに着いて行く。

カフェは2階まであって、私たちは2階に行った。

2階には私たちだけだった。

「座りなよ」

「あ、うん。ありがとう。」

私が座ると鈴野くんが、こっちに来た。

「どうしたの?」

「足、痛いんだろ」

「え、あ、うん。ちょっとヒール履いたから」

「靴買ってこようか?」

「大丈夫だよ!ありがとう。」

「ん」

何してるんだろう、私。

ほんと情けない。

美麗ちゃんならこんなミス、しないのに。

だから、蓮は美麗ちゃんが好きなのかな。

泣きそうになって、俯く。

「なんで泣きそうなの」

だって、美麗ちゃんには勝てないって事を思い知ってしまった。

自分でも、そんな事を考えてたらまた涙が出てきてしまった。

「美麗ちゃんは大人っぽくて、綺麗で、こんな失敗絶対しないよ、美麗ちゃんには勝てないって事を思いしったみたいで、辛い、」

なんで、鈴野くんに本音言っちゃったんだろう。

「ごめん、忘れ…「そんなことない」

「えっ、?」

「有村はすごく可愛い。無理してヒール履いたり、香水つけたりしなくても、十分可愛い。だから、ありのままの有村でいいと思う」

優しい言葉に一気に涙が溢れ出す。

喋ろうとするけど、上手く言葉が出ない。

そんな私に鈴野くんは、頭ポンポンしてくれた。

「鈴野くん、本当にありがとう。鈴野くんのおかげでなんだか、気が楽になった笑笑」

「ならよかった」

「でも、私以外の誰かにはあまり言わない方がいいかも!笑笑」

「なんで?」

「うっかり惚れちゃうから!」

「…有村は惚れてくれないの?」

「え、」

それってどういう意味なんだろう…

「…ごめん、忘れて」

「う、うん。」

私はなにがなんだかわからない。

でも、軽い冗談を間に受けちゃった気がする。

申し訳ない。

「何か食べよう」

「そうだね、お店の人呼ぼうか。」

「すみませーん!」

「はーい!」

「私は、このハンバーグください!鈴野くんは何にする?」

「同じのください」

「かしこまりました!もうすぐ、クリスマスなので特別サービスでジュース一本サービスしちゃいます❤︎それではごゆっくり!」

「…クリスマスか…」

「有村はクリスマス予定あるの?」

「ないよー笑 蓮、クリスマスは美麗ちゃんと過ごすってさ。」

「…じゃあ俺と遊びに行こう」

「大丈夫だよ!私が蓮に断られたから気遣ってくれんだよね笑 ありがとう、気にしないで!それに、鈴野くんモテモテだし色んな人に誘われてるだろうし!」

「うん、誘われた…けど、俺は有村と過ごしたいって思ったから誘ってるんだけど」

えっ。

思わずキュンとしてしまった。

やばい。

返事したいけど、ドキドキしすぎて声が出ない。

私は、蓮以外の男の子に慣れていない。

それに、きっと相手が鈴野くんだからって油断してた。