死んでしまった彼との話

彼が、まだ生きているのではないか?
前に調べ物をしていたときに思ったこと。
でも、そんなことはありえない。
だとしたら…

「如何して何処にも彼のことが載っていないのかな…」
「なにか考え事ですか?」
「えっ、あっ、はい。」

突然話しかけられてびっくりしてしまったが、はじめの頃よりはこの流れに慣れてしまった。

「どうして、水無月先輩のことがどこにものっていないのかなって。」
「いい忘れましたね…また」
「え?」

先輩が笑って答えた

「私、命を売ったのです」

は?
「は?」

「あはは……信じませんよね…ですよね…でも…考えてみてください」
「……はい」
「生きるのに辛くなった人間に残された選択は?」
「生きるか死ぬか。自殺…か、」
「そうなんですよ」

そして続けて先輩は答えた

「そこの選択肢に、とあることが付け足されます」