死んでしまった彼との話

「ーーー事故…高校生…うーん……ないなぁ」

家に帰ってすぐに、彼のことを調べ始めた。
全く出てこない。

「何してるんですか?」
「あっ…いや、なんとなく…名前だけでもしれたらなあと…」

自分のこと調べられていい気はしないだろうから、遠回しに答えた。

「あ!名乗り忘れてましたね!私の名前は水無月朔也です!すみません!」
「えっ…覚えているのですか?」
「はい!さすがに名前は忘れませんよ」

朔也…綺麗な名前だな…とか、もし、彼が生きていたら、出会うことはなかったのかなとか…色々考えてしまった。

「水無月くんは何年生ですか?」
「たしか…高2でした!」
「じゃあ先輩ですね」
「てことは1年生ですか!先輩後輩関係久しぶりなのでなんだか楽しいなあ…」

他愛のない話をする中で、一つ疑問に思ったことがあった。

「あの…」
「なんですか?」


「私、霊感とかまったくないんですよ。親がそうとかでもなくて、、なんで、

水無月先輩が見えるのかな? …って」

その時、彼の表情が一瞬曇ったのを私は見逃せなかった。