死んでしまった彼との話

結局先輩は来なかった。
はじめから分かっていた。
もう死んでいる相手に期待などするのはどこの少女漫画だと、私は昨日の私に言いたい。

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特詠へ行った。
暗くて、汚れていて、廃墟のようになったその場所をみて、また思った。

「こんなんだったっけ…本当に…」

8階まで登ったときに涙が出てきた

『先輩に会えなかったらどうしよう、先輩に気づいてもらえなかったらどうしよう、先輩がいなかったらどうしよう』
そんな不安からだった

でも、彼の言葉を思い出す

『生きるのに辛くなった人間に残された選択は?』
『生きるか、死ぬか。…自殺、するか』

少し手段が違うだけで、自殺とは変わらない。
彼に会えるなら、そう思って窓から顔を出したとき、

ーーすっ

腕を引かれた

「えっ?」

「もう…馬鹿ですね。こんな時間に何してるんですか。」
「せ、先輩?え?水無月先輩?」

先輩がいた。これが、夢なのか、もう私は死んだのかは分からない。でも、たしかにそこには先輩がいた。透けていない状態の。

「今は何時ですか?」

先輩が私に聞く、

「…っ!に、21時37分です」



「迎えに来ました」
「先輩…!一緒に死「生きましょう」

「え?」

もう死んでいるはずの先輩からそんな言葉が出た。

「あのあと、消えたのは、後悔という後悔が四月一日さんの言葉によって消えてしまったからです。私は生きています。遅くなって、ごめんなさい」

「……」
ただ、涙が溢れてくる。人間は限界まで来ると、声まででなくなるというのはこういうことかと思った。

「ごめんなさい。大好きです。でも、ダイキライ、なんですよね?」
「……き!!!!」
「なあに?」
「だいずぎでず!!!!!」


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こうして、死んだ先輩と生きている私との物語は幕を閉じた。