Tear Flowers〜Not the End〜

「そうだ!もし、時間があれば姉さんや皆さんがこれまで解決してきた記録、見せていただけませんか?」

モミジが紅茶を飲みながら言い、サルビアは「大丈夫ですよ」と微笑む。モミジが嬉しそうにし、その無邪気な様子にその場の空気がほのぼのとしていた。その時だった。

「サルビアくん、特殊捜査チームのみんな、この事件の捜査をお願いしたいんだが……」

捜査一課の刑事が、分厚い資料を手に入ってくる。その顔は難しそうな顔をしていた。

「どんな事件なんですか?」

フィオナが訊ねると、刑事は「その……」と言いにくそうに一瞬目を泳がせたものの、驚くことを口にした。

なんとその事件は、黒いバラの花びら事件のような殺人事件だという。全員の表情が一瞬で捜査官の真剣なものへと変わり、捜査会議を行うことになった。



サルビアがホワイトボードに事件のことを書いていき、フリージアが事件の内容を読み上げていく。

「事件があったのは、ちょうど一週間前。××市内のとある住宅で、配達員が荷物を届けに行ったところ、リビングのカーテンが開いていて、二人の男女が倒れているのが発見された。死因は刺殺。二人の体には黒いバラの花びらが撒かれていた」