きっと何度も、何度も、エリカはナーシサスにこのハンドサインを向けていたのだろう。彼が愛した分、彼女も愛を返していた。

「ッ!うぁぁぁぁぁぁぁ!」

ナーシサスはその場に崩れ落ち、声を上げて泣き出す。その肩をサルビアとフリージアがそっと触れ、彼を連行していった。



事件が解決し、フィオナたちはモミジの歓迎会も兼ねてご飯を食べに行くことになった。レティシアがおすすめのパスタやピザがおいしいお店で、フィオナたちはお酒の入ったグラスを手に乾杯をする。

「改めてモミジ、この特殊捜査チームにようこそ!これからもよろしくお願いしますね」

サルビアが微笑み、モミジが「こちらこそお願いします!」と頭を下げる。そして、顔を上げてからモミジは言った。

「私、姉さんが関わった事件の記録を全て読みました。姉さんの書いた記録を見て、姉さんがこの特殊捜査チームの皆さんのことを心から信頼して、心から大切に思っていたことが、温かい感情が、文字を通して伝わってきました」