Tear Flowers〜Not the End〜

縋るようにナーシサスが言う。フィオナの頭にあるのは、シオンを奪われたあの最悪の瞬間と、マーティーと戦った時のことだ。あの時、フィオナは本気で彼を殺そうとして、できなかった。でも、そのことを後悔していない。

「ナーシサスさん、あなたがエリカさんを愛していたように、エリカさんもあなたを愛していました。愛する人が手を汚す姿を見て、嬉しいと思いますか？」

フィオナはナーシサスの肩を掴む。彼は戸惑った様子で、「お前にあいつの何がわかるんだよ！」と怒鳴る。

「エリカの気持ちなんて、エリカを知らないお前に何がわかる？適当なことを言ってなだめようとするなよ！！」

ナーシサスが怒鳴り散らそうと、フィオナは冷静なままだった。その場の空気が張り付く中、フィオナはナーシサスにハンドサインを向ける。それは、エリカがおまじないとしてしていたものだ。

「このハンドサインの意味は、愛してるという意味です。ちゃんと彼女は、あなたに伝えていたんですよ」