冷たい彼の本音



「彩芽、今日のお見合いどうだったの?」


家に帰るとお母さんが聞いてきた。


(珍しい、いつもはこんなこと聞いてこないのに、、)



「それなんだけど、、私も相手もまだ結婚したくないらしいし、、今回は縁がなかったということになりまして、、」



「は?」


お父さんの低い声が響き渡った。



(どうしたの、お父さんらしくない、)


「岸本不動産はお前にかかってるんだぞ、」


「えっどういうこと?」


「最近、 秘書が会社の金横領したっていうニュースあっただろ。」


「うん、」


「実はその会社が岸本不動産なんだ。」


「えっ」


「そのせいで、社員たちが次々辞めていって、会社がうまくいってないんだ。」


「そうだったんだ。」


「だから、頼む堂本さんと婚約してくれ!」


「えっでももう断っちゃったし、」


「だったら、謝って考えてもらえ。」


「‥わかった」


なんでそんなことしないといけないの、て思ったけど初めて両親から頼られたような気がして受け入れてしまった。


てのは嘘で、優斗さんに会ったあの時から優斗さんのことが頭から離れなくなったのだ。