「お詫びなんて、いらないわ。でも……」
「ええ、そうね……それなら……」
ふたりは顔を見合わせて、クスクスッと笑いあう。
「じゃあ、私たち、シルディーヌにお願いしたいことあるの。訊いてくれるかしら?」
にこーっと笑うペペロネと、少しモジモジしているキャンディを交互に見つめ、「いいわよ?」と返事をすれば、シルディーヌにしかできない事を頼まれたのだった。
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ふたりと分かれて黒龍殿に戻ると、お昼近くになっていた。
「どうしようかしら?」
シルディーヌはホールの真ん中ほどに立ち、う~んと頭を捻った。
さきほど二人に頼まれたこと。どうやって実現したらいいのか悩んでいるのだ。ここまで歩いてくる道すがらにも考えていたのだけど、ちっともいい案が浮かばない。
困った時に相談できる二人。フリードはともかくとして、アクトラスは出かけてしまっているだろうか。
遠征の任務を終えたところだから、今日は休暇を取っているかもしれない。
この際新たな相談役候補となりそうな、お気楽騎士のポートマスでもいいのだけれど。
誰か食堂にいるかしら? と考えて、ぎょっと思い出した。

