たしかにアルフレッドならば、毒のほうが根負けして退散していきそうではある。
「でもアルフだって不死身じゃないもの。だから、このクローバーは押し葉にしてプレゼントするわ。お守りにしてほしいの」
「ふん、まじないの類は信じないが、お前が作るなら、なんでも貰ってやる」
「ほんとう!?」
「ああ、嘘は言わん」
アルフレッドは嬉しいことを言ってくれる。そうしたら、冠を作りたくなるのがシルディーヌである。
多分嫌がるだろうが、完成と同時にサクッと被せてしまえば、きっとアルフレッドは避けられない。
冠でかわいくしてあげるのだ。いつもイジワルされているお返しである。
せっせとクローバーを摘みはじめたシルディーヌの腕を、わしっと掴んだ大きな手。
ビクッと体を揺らして振り向くと、ワイバーンのような恐ろしい顔が……シルディーヌは冷汗が流れるのを感じた。
「なにを企んでる? さっきは葉っぱを髪に挿したな。草を集めて、今度は何をするつもりだ?」
問いかけるアルフレッドの目がギラッと光っている。
「企むなんて、滅相もないわ」
「ふぅん? まじないならひとつで十分だぞ?」

