四つ葉のクローバーを二つ手に取って見せると、アルフレッドは何故か苦々し気な表情をしていた。
「そんなもの、葉っぱが四枚あるだけだろう。どこがいいんだ」
「あら、アルフったら、知らないの? クローバーの葉は三枚が普通なのよ。四枚はとーっても珍しくて貴重なの。手に入れるとしあわせになれるわ」
シルディーヌは帽子のレース飾りに一つ挿し、アルフレッドの髪にも挿した。プラチナブロンドの髪に、緑の葉がよく映える。
クローバーの冠を作って被せてみたらどうだろう。濃緑の服と合うと思うし、ワイバーンな顔も可愛らしく見えるかもしれない。
ふとそんなことを考えて、シルディーヌは笑みを零した。
「ふふふ、よく似合うわ」
「冗談だろう」
「あっ、ダメ。乱暴に払わないで」
アルフレッドが取ってしまったクローバーを、シルディーヌはハンカチを出して丁寧に挟んだ。
「私ね、カメリアたちにアルフの弱点を探られてるって知って、すごく心配したの。命を狙われてるのかな、毒を盛られたりしたらどうしようって」
「心配するな。毒にやられるつもりはない」

