自分の部屋に戻って、着替えていると、携帯が鳴った。

なんだろう? 不思議に思いながら、俺は携帯画面を見る。

「え……」

相手はまさかの佐々木さんだった。

〈最後にお話しませんか? 言いたいことがあります。いつものカフェで今週の日曜日の午前十時頃から待ってます。良かったら来てください〉

なんの代わりもないと思った。以前のメールでもこんな感じだったように思う。だけど、少しだけ対応が冷たいような気がした。

〈わかりました〉

とりあえずそう送っておいた。既読つけるの、早すぎただろうか。



台所に戻り、母と二人で晩御飯を食べた。相変わらず味付けは薄いけど、とても美味かった。やはり、食べなれた味が一番美味しいのかもしれない。

この時、俺は何も知らなかったんだ。佐々木さんに会った時、何を言われるかを。