第一日曜日。

今日は佐々木さんと会う日だ。

本当は嫌なんだけどな。だって好きな人の恋人だから。なんか変な気があるわけじゃないけど、浮気してるみたいだ。

初めて佐々木さんと出会ったカフェに行く。そこには優雅に紅茶を飲んでいる佐々木さんがいた。

パッと見じゃわからないような化粧。それでも、とても綺麗だった。

派手じゃないけど、綺麗なワンピース。彼女にピッタリな淡い色合い。

まるで、全てを計算して着ているかのよう──

彼女は全てを判っている気がする。だから怖いんだ。

思考を読まれている気がして恐怖を覚える。

「あ、黒森くん!」

俺の存在に気がついた佐々木さんは椅子から立ち上がった。佐々木さんの表情はとても嬉しそうに笑っていた。

「お待たせしてすみません」

「いえ…そんな待ってませんからお気になさらず……」

そう言って佐々木さんは椅子に座った。

「珈琲にしますか?頼みましょうか」

「あ、いえ。おかまいなく。話終わったらすぐに帰りますので。今日も残業とか残ってますし」

「……まぁ!それなのに私に合わせて来てくださったんですね。ありがとうございます」

そう言って佐々木さんは頭を下げた。

礼儀がなっている。誰の教えだろうか。物凄く恐怖でしかない。