だって、私の一方通行の恋は実らないなんて最初からわかってるんだから。

彼が好きなのは“私”じゃなくて“廉くん”なんだから。

好きな人のことなんてずっと見てる。会えなくても、わかる。

ストーカーになってはない。だから彼が今どこで何をしているかなんて知らない。

〈今月、お会い出来ますか?〉

気がついたら私は司様にそう連絡していた。

連絡できるんだからいいんじゃない。メールを交換してるだけマシだわ。何もしてないってわけじゃないんだから。

私が連絡しで彼からの返事はなかった。

ああ、嫌われたのかしら。もしかした、廉くんと一緒にいるのかしら。

それはないわ。

彼、私からの連絡がなくて落ち飲んでるって友達が言ってたもの。心底どうでもいいと思ったけど。

そういえばその時、友達に言われたわね。

『あたしの廉くんを奪っといて別の男に興味持ったの?最低』

意味がわかんなかった。その直後、友達に叩かれたっけ。

本当にいい迷惑よね。大学内でそんなことされたら、色んな人から注目浴びるじゃない。私はおしとやかな性格を守ってるんだから。

だから私は、その友達と縁を切った。ていうか、今更だけど、“友達”って呼ぶのおかしいわね。

〈今月は忙しいので……〉

数分後、司様からの返信があって私はすぐに既読をつけた。

嬉しくなった。まだ嫌われてないんだって思えたから。

内容は嬉しくなかったけど。

忙しいなんてわかってる。前に廉くんが言ってたもの。

『司くんってね、家族に仕送りしてるんだって。優しいよね〜』

そう言ってた。だから家族の仕送りのためのお金を用意して、自分が生きれるためのお金も用意して。司様は努力家だわ。物凄く頑張ってるもの。私も見直さなきゃ。