「で、今日はどうしたの？」

用件を聞く。用があったから俺の家に来たのだろう。

物凄く言いにくそうに佐々木は俯いていた。

言い難いことなら言わなくてもいいのに。

「聞いたんです、廉くんに」

「何味を……？」

きっと聞いてらならないことだ。佐々木さんの雰囲気的に嫌な予感がした。

「好きな人は誰か？って」

その答えはきっと佐々木さんだろう。彼女がいて別の人の名前を出したらもはやアウトではないだろうか。

「答えは私でした……」

そりゃそうだ。君じゃなかったら俺の中の廉に対する好感度が下がる。

「だから聞いたんです」

だから何を？

「黒森くんのこと好きですか？って」

聞いてはならないことを聞いたんだな。その答えは俺が見つけるはずなのに。

「答えは“友達として”好きだそうです」