司くんがあんなにも楽しそうに渚ちゃんと話すから、あの場にいるのがツラくなった。

だからトイレだと言って、あの場から立ち去ろうと思った。

今までならあんな風に楽しそうに話す相手はオレだったはず。

今じゃ誰とでも楽しそうに司くんは話すんだ。

今だって楽しそうに話しているんだろう。

オレをどう思うか聞いたら、友達として好きだと言う。そんなの知っている。何年一緒にいたと思っているんだ。

本当は恋愛対象で好きだと言ってほしかった。言ってくれれば涙を流して喜んだのに。

でも彼は俺にそんな気はないんだろう。

今だって渚ちゃんを楽しそうに話しているんだから。

男の俺よりも、同じ話が出来る渚ちゃんの方が司くんにとってはいいのだろう。

そんなの当たり前なのにな……

ああ、早くこの気持ちに区切りをつけたいなぁ。