メニュー表を見ながら廉は考えていた。

「……紅茶にしよっと。渚ちゃんと同じにしよ。どんな紅茶飲む?」

「う〜ん……アールグレイシトラスかなぁ。爽やかな飲み心地だから好きなんだ」

「わかった」

なんか目の前で嫌なものを見せつけられている気分だな。

リア充爆発しろ、と叫んでいる大学の友人がいたが、少しだけ気持ちがわかる気がする。

それはさておき。目の前で好きな人が別の人とイチャイチャしていたら普通どう思うだろうか。

もはや俺は今何も思っていない。否、思えないのだ。

傷つきたくない。だからこの時間だけは、何も思わずに平常心を保つのに努力することにした。