「和君ね、あの時…両親事故で亡くしたばっかで辛かったんだって。」
春香が言う。
「……え……」
和人君が…?
「だから優依のおかげで落ち着いたって言ってた。それがもしかしたら和君の初恋なのかもね。」
春香が言う。
初恋…。
「初恋かぁ…」
和人君……。
「まだ続いてると思うよ?その初恋は…」
春香が笑って言った。
和人君の事…
考えてみようかな…。
そう思う私がいた。
あれから相変わらず和人君は朝と昼休みに私のクラスに来た。
春香の話を聞いてから和人君を好きになりたいって思った。
和人君はずっと想ってたって分かったから。
和人君に誘われ、一緒に帰る日、私は和人君に素直に話す。
「春香から聞いたよ。私と和人君…昔も会ってたんだね。忘れててごめんね。」
私は和人君に言う。
「良いんです。俺、変わったから。見た目も中身も。」
和人君が笑って言う。


