「律くん、私もね──っ」


キスしたい。その言葉ごと飲み込ませるように、僕はすずちゃんに口付けた。


「すずちゃん。好き、好きだよ」


彼女の唇はとろけるように甘くて、柔らかかった。

何度かぴとり、ぴとり、と唇同士をくっ付ける。

うっすらと目を開けると、頰を赤らめながら頑張って受け入れようとしてくれているすずちゃんがいた。

やたらと扇情的に見えるその表情に、僕の身体はこれでもかと疼く。理性よりも本能が優って、もっともっとと強請るようにして勢いのまま、僕はその小さな口の中に舌を差し込んだ。

ぬるりと生温かい感触に驚いたのだろう。彼女は身体をビクつかせるが、抵抗することなくそのまま僕に委ねてくれていた。


「な、ふっ、ふぁっ・・・ま、まって、りつく、ン」
「・・・ごめん。もうちょっとだけ」


この時やめていたら良かったのだろうが、調子に乗っていた僕はすずちゃんの息が上がっているのを分かっていながら、逃げていく彼女の舌を捕まえては吸って絡めてを繰り返す。

あぁ、このままじゃやばいな。そう思い始めた時、我慢の限界がきたのかすずちゃんは僕の胸をどんどんと力なく叩き始めた。


「あははっ・・・かーわい、すずちゃん」


満足した僕は解放するように口を離すと、彼女は息絶え絶えになりながら抗議した。