(すぐ近くに、すずちゃんがいる・・・!) だんだん近づいていく距離に心臓がどくどくと音を立て始める。緊張して喉も乾いてきたけれど、僕は己を奮い立たせるようにグッと身体に力を入れた。 すずちゃんの前では格好良くクールにいくと決めたのだ。 彼女に手を伸ばせば届きそうな距離。 この日、僕は生まれて初めてすずちゃんに声を掛けた。