ファーストソング

同い年の女の子たちに手伝ってもらい憧れの制服に袖を通した。
意外と窮屈に感じて、あ、制服ってこんな感じだったと思い出した。
なんだか慣れない服装に照れながら慎太郎くんが押してくれて元の位置に戻る。
その時にはステージ以外は暗くなっていてもうすぐ始まるんだとワクワクした。


「これより、ナツによるライブパフォーマスを行います。 皆さんも一緒に盛り上がってください! ではナツさんお願いします!!」


私は彼の決めた名前にクスっと笑ってしまう。
周りにいる人たち同じように拍手をしているとステージの袖から夏輝がでてきた。
拍手はより一層激しくなる。
周りからは歓声のような声や「まってましたー!」と夏輝を盛り上げる声が聞こえてる。
なんだ。 やっぱり夏輝はみんなから好かれているんだと誇らしげになる。


「こんにちはー! ナツです! はは、みんなありがとう! 今日は3曲?も歌わせてくれるんで全力で歌っちゃいまーす! ぜひ最後まで楽しんでいってください!!」


そういうと曲が流れ始めた。
どの曲も聞いたことがある。
夏輝が練習していた曲だ。

すごい。
あの時よりもうまくなっている。

すごい。
すごいな。

あぁ。
もっと夏輝の歌聞いていたいなあ。
でももう渡さないと。
私は自分のスマホをぎゅっと握りしめてから手をパっと放した。
私の最初で最後の夏輝ための曲。
それを渡すときが来たんだと大歓声に包まれる体育館の中でそう決意した。