ファーストソング

４

そして勝負の日曜日の朝。
千冬ちゃんのご両親がくるまで病室の近くで待っている。
ちょっと不審者っぽいか？
そう思いながら待っていると二人の上品な大人の人が千冬ちゃんの病室に入っていく。

あれが千冬ちゃんのご両親…！

すげぇ上品で、ザ、いいとこのお母さんたちって感じだ。
数分待っていると二人ともそろって病室からでてくる。
俺は二人に突撃するように近づくと口を大きく開けた。


「あ、あの！　千冬ちゃんのご両親ですよね！？」


俺の突然の問いかけに二人は少し驚きながらも「えぇ。　そうですけれど」と答えてくれた。


「あの、あの、俺、佐久間夏輝っていいます！」
「あぁ、君が噂の」
「え、俺のこと知っているんですか？」
「あぁ。　櫻井くんから聞いているからね」
「えぇ。　千冬と仲良くしてくれているのよね」


櫻井先生話してくれてたんだ。


「千冬のことかしら？」
「はい！」
「ならここはちょっとあれね。　外で話しましょう」
「はい！」