俺の行動に母さんは驚いたのかズサっと一歩下がった音が聞こえた。
顔を上げることをせず、真っ直ぐと地面を見つめる。
許させるまで、「いいよ」と言われるまで顔をあげるつもりはなかった。
「でも…。 だって」
狼狽えているのか言葉を濁す。
やっぱり無理なのか…?
そう思いながら下を向いていると後ろからガラっと音がなる。
反射的に振り返るとそこには和真がいた。
「母さん。 兄さんを応援しようよ」
「和真っ! でもねぇ…!」
「不安なのはわかるよ。 兄さんだって不安だと思う。 打ち明けるのだって勇気がいる行為だよ」
「それは! そう、だけど…」
「兄さんは俺たちのためにやりたいことずっと我慢してくれてた。 欲しいおもちゃも、俺たちのめんどうも、お店の手伝いも全部やってくれてた。 だからこそ、兄さんには自分のやりたいことをやって欲しい」
「和真…」
和真の言葉が胸に響く。
そんなことを思っていたなんて…。
くすぐったいような、ポカポカするようなそんな気持ちになる。
「そうだな、母さん」
静かだった父さんが口を開く。
「夏輝のやりたいようにやらせよう。 独り立ちができるまで家にいたらいい」
「でも、夏輝が路頭に迷ったら? お嫁さん貰えなかったらどうするの? 普通じゃないって凄く難しいことなのよ!?」
「夏輝の職業が普通じゃなくても、俺たちにとっては普通の子どもだろ。 悪いこと、善いことは教えてきたつもりだ。 それは母さんが一番理解してるだろ」
「そうだけど…」
「俺は一人で食べるもの食べれて、元気に生きてさえくれればそれでいい。 仕事なんかなんでもいいんだ」
父さんの言葉に母さんは静かに目を瞑ると「それもそうね…」とついに認めてくれた。
顔を上げることをせず、真っ直ぐと地面を見つめる。
許させるまで、「いいよ」と言われるまで顔をあげるつもりはなかった。
「でも…。 だって」
狼狽えているのか言葉を濁す。
やっぱり無理なのか…?
そう思いながら下を向いていると後ろからガラっと音がなる。
反射的に振り返るとそこには和真がいた。
「母さん。 兄さんを応援しようよ」
「和真っ! でもねぇ…!」
「不安なのはわかるよ。 兄さんだって不安だと思う。 打ち明けるのだって勇気がいる行為だよ」
「それは! そう、だけど…」
「兄さんは俺たちのためにやりたいことずっと我慢してくれてた。 欲しいおもちゃも、俺たちのめんどうも、お店の手伝いも全部やってくれてた。 だからこそ、兄さんには自分のやりたいことをやって欲しい」
「和真…」
和真の言葉が胸に響く。
そんなことを思っていたなんて…。
くすぐったいような、ポカポカするようなそんな気持ちになる。
「そうだな、母さん」
静かだった父さんが口を開く。
「夏輝のやりたいようにやらせよう。 独り立ちができるまで家にいたらいい」
「でも、夏輝が路頭に迷ったら? お嫁さん貰えなかったらどうするの? 普通じゃないって凄く難しいことなのよ!?」
「夏輝の職業が普通じゃなくても、俺たちにとっては普通の子どもだろ。 悪いこと、善いことは教えてきたつもりだ。 それは母さんが一番理解してるだろ」
「そうだけど…」
「俺は一人で食べるもの食べれて、元気に生きてさえくれればそれでいい。 仕事なんかなんでもいいんだ」
父さんの言葉に母さんは静かに目を瞑ると「それもそうね…」とついに認めてくれた。



