その夜……───。
「先お風呂ありがとー」
髪の毛を拭きながらパジャマ姿の華音が風呂から出てきた。
「眠たそうだな」
「……そうだね。初日だったから気張ってたのかも」
そう言って華音は、俺が座っているソファと対面に置いてあるソファに倒れ込んだ。
あ、これはこのまま寝るやつ。そう思うくらい気持ちよさそうにソファに沈み込んでいる。
環境が変わり、初めての場所での生活が始まったことはかなり華音にとって大変だろうな。
昼ご飯は作ってくれたけど、さすがに疲労が見えていた夜ご飯は俺が作った。後片付けはするって言ってたけど黙って風呂場へ押し込んだ。
「華音、髪乾かさねぇと風邪引くぞ」
「…………んー、分かってるー……」
返って来たその声はだるそうで、全く動く気配がない。
ったく。

