向かっている途中、玄関を出た先で華音らしき姿を見つけた。
お、いるじゃん。なんて思っていたら。
「……あ、やっぱり颯真だ」
前を歩いていた華音が振り向いた。
「やっぱりって?」
「何だか周りがザワザワし出したから」
「学園の王子様なんでしょ?」と、ちょっと呆れたように言う華音。
確かに、言われてみれば周りから視線を感じる。
周りを見渡して、目が合った子達に笑顔で軽く手を振れば、歓声が飛ぶ。
普通、俺の周りにいる女の反応はこれが当たり前だったんだけど、華音は違う。
今のを見て、さっき以上に呆れた顔をしてため息を着き、スタスタと歩いて行ってしまった。
そしてそのまま帰る間も特に会話をすることなく家へ帰った。

