俺の視線に気づいた藍斗は特に表情を変えず話し出した。
「と、まあ、冗談はさておき。“あっち”も上手くやってると思うから大丈夫だと思うよ」
「……あぁ、助かる」
何だかんだで色々手を貸してくれる藍斗。
こんなこと外部に漏れたら本当に厄介なことになるからこそ、信頼できる藍斗に協力してもらうと助かる。
それに、明日からも俺達は従兄妹として一緒に登下校しないといけないから色々とバレないように徹底しないと。
もし、婚約者がいることがバレたらと思うと……。絶対に面倒なことになるからな。
「颯真なら上手くやると思うけど、何かあったらすぐ言うこと!……あ、じゃあそろそろ行くから!頼んだよ、颯真ー!」
時間を見てギリギリだと気づいた藍斗は軽く言い残し、生徒会室を出て行った。
マイペースなやつ。

