「…………まさかお前……」
「いや、何もしてねぇよ」
何も答えない俺を見て疑いの目を向けてくる藍斗。
いったい俺を何だと思ってるんだ……。
昨日の今日でまだ手探り状態だけど、今朝の様子を見るとそこまで嫌われてはいないと思う。
まあ、ちょっと色々あったけど、そこはもういい。
「4ヶ月だけだ。何とかやり過ごす」
昨日藍斗に連絡した時はまだ頭の整理が出来ていなかったけど、一晩考えて落ち着いた。
親の言う通り、黙って4ヶ月やり過ごしたら何なり理由つけて婚約を解消する。
まだ高校生だってのに婚約者とかダルい。
もう少しだけ自由にしたい。
「とか言ってー。お前、意外にも本気になったりしないのー?」
「それはありえない」
ニヤニヤしながら見てくる藍斗。
何か期待してるみたいだけど、さすがにない。

