椅子に座り、藍斗から渡された資料に目を通す。
内容のほとんどは新学期から始まる学園生活に関するもの。
会長の署名は入っているからその書類に不備がないか最終確認をしてから最後に俺もサインをする。
俺はこの4月から生徒会に所属することになった。ちなみに俺は副会長、藍斗は生徒会長だ。
今日は入学式だから会長、副会長だけ登校だから他のメンバーは休み。
藍斗は入学式に出て挨拶、俺は明日から始まる新学期に向けて最終調整のために来てる。
とは言っても、そこまで難しい書類でもないからすぐ終わりそう。
……うん。不備なんて一切無く完璧。
さすが仕事が早い。
「そういえば、昨日言ってたのどうなった?」
書類に目を通していると藍斗から声がかかった。
実は昨日の夜、藍斗に婚約のことを話した。
華音が一宮学園に入学するということは藍斗のお父さんにも話が行っているはず。
だから藍斗も少なからず関わることになると思ったし、信頼出来るやつだから軽く相談をした。
まあ、話した時にはまだ藍斗は知らなかったみたいだから驚いていた。

