「じゃあ、俺はここで。くれぐれも俺の本性は内密で」


 少しだけ不安そうにしている華音に告げてから俺はとある場所に向かっていた。



 今日は入学式ということもあって学園内はかなり静かだ。


 毎朝の挨拶も在校生がいないからいつもより少なかったし、華音がいたから上手くまけた。


 本当、毎朝毎朝飽きないのか?ってくらい大人数に囲まれるのは勘弁して欲しい。


 それに対して全部笑顔で対応しないといけないから余計にしんどい。


 “学園の王子様”なんて変な異名で呼ばれているからこそ、笑顔を崩すことは出来ない。


 今まで築き上げてきた王子という肩書きを崩されないようにするために華音には忠告しておいた。



 あ、そういえば。


 朝、華音にどうしているのか聞かれたけど、理由は簡単だ。