「やめてください、その嘘くさい笑顔」
下から睨みつけるように俺を見る大きな目。
強気で見抜くような目に少し心が動いた気がした。
それよりも……。嘘くさい笑顔……かぁ。
「はははっ、もしかして気づいてる?」
思わず笑ってしまった俺を見て、「やっぱり」と呟いたのを俺は見逃さなかった。
じゃあもう隠す必要ねぇな。
「気づいてるならもう素のままでいくわ。この方が楽だし」
4ヶ月ずっと王子様演じるのはキツかったから向こうから気づいてくれたのはラッキーだったかも。
それに、この俺を見ても幻滅する様子もないし。

