「颯真、着いたわよ♪」


 母さんに連れられて(ほぼ強制的に)来たのは、最近出来たばかりであろう高級マンション。


 目の前にあるマンションは、新築感ある綺麗な外装をしていて、一体何階あるんだ?ってくらい高くそびえ立っている。



 でも、何でいきなりマンションに……?


 今日は会食だけだって聞いていたからさっさと帰りたいんだけど。



 ため息をつきながら考えているとまた母さんにがっしりと腕を組まれる。



「ため息なんてついてないで早く中に行きましょ!華音ちゃん達はもう中よ」


 いつも元気だけど、今日はいつも以上にニコニコしていて機嫌が良い。


 いつも止めてくれる父さんがいない今、完全にもう母さんのペースになってしまった。


 だから俺はそのまま母さんに引っ張られ、マンションの中に入った。