「……丸井さん。ごめんなんだけど、俺ちょっと用事を思い出したからこの辺で失礼するね」
丸井に向き直ると、少しもう分けなさそうにしながら嘘を並べる。
用事を思い出したなんて、ただの断り文句だ。
多分、そんなことは丸井だって分かってる。
「分かった。付き合ってくれてありがとう」
「こっちこそありがとう。じゃあ、また学校で」
分かっててこうやって見送ってくれる丸井に少しだけ罪悪感を覚えつつ、俺は足早にその場を立ち去る。
もちろん、向かう先は華音の元だ。
場所的に少しだけ離れているから、辿り着くまでに絡まれないようになるべく目立たないように注意する。
だから、あまり周りにも、それに華音達にも気付かれずに近くまで来れた。

