「颯真くんもそうだと思うんだけど、1人でいると…………ね?」
声を潜めて濁すように意味深につぶやく。
まあ、要するに俺と同じ意見だってことだな。
囲まれるし話しかけられるから表情を作るのに疲れる、と。
「……じゃあ、ちょっと端の方で休もうか」
「喜んで」
俺もちょっとだけ表情を崩して言うと、丸井は素の笑みを浮かべて頷いた。
そのまま2人で端の方へ移動する間にも周りからの視線がすごかった。
声はかけられなかったのはありがたかったけど、コソコソと話す声は聞こえてくるわけで。
「ふふふっ。相変わらず、みんな私達のこと勘違いしてるね」
「付き合いが長くて一緒にいることも多いからね」
勘違いされてるのにも関わらず楽しそうに笑う丸井。

