「そんなに大きなため息ついてどうしたの?」
と、ふと耳に聞き慣れた声が届いた。
振り向くと、いつも通り綺麗に微笑んでいる丸井がいた。
そういえば金曜日の生徒会の時に参加するって言ってた気がする。
制服姿とは違って今日は一段と大人っぽく見える丸井。スタイルがいいからタイトなドレスも綺麗に着こなしているし、淡い水色のドレスに黒髪がよく映えている。
美人が完璧な笑みを浮かべているということもあって周りからの視線もすごい。
その視線にも動じず、冷静に、そして洗礼された立ち振る舞いしている丸井。
さすが、丸井ホールディングスの令嬢なだけある。
「別にどうもしないよ。一旦休憩しようかと思って」
「そうなんだ。……ねぇ、私もその休憩に付き合ってもいい?」
まさかの提案に驚いて丸井を見ると、少し困ったように眉を下げていた。

