莉奈のその言葉に胸がドキリとなる。
わ、私。そんな顔してた……?
慌てて顔を覆うけど、どんな顔してるのかなんて自分では分からないし、そんなことをしてる自分を莉奈は呆れたように見てる。
「…………もうそろそろしたら自分の気持ちに気づいてくるかなー」
「……莉奈、何か言った?」
何かボソッと呟いたように見えたけど、莉奈はそのまま私の腕を取る。
「んーん。何でもない!ほら、行くよー」
いい感じに誤魔化されたようでちょっと気になるけど、私は莉奈に引かれるまま教室へ戻る。
今日は学校行事ということでHRをしたらいつもより早めに帰れる。
颯真はこの後も生徒会があるから別々だけど。
あーぁ。何だかモヤモヤするし、料理でもして気を紛らわそうかな……。
颯真も優勝したし、……おめでとうも兼ねて。
お祝いっぽくちょっとだけ豪華な感じにしようかな?とか、色々考えてたらモヤモヤも少しだけ晴れるような気がする。
…………なんて。
ちょっとだけ気持ちも晴れたかな?なんて思っていたけど、現実は違った。

