…………私だけが、知っていたい……?
ちょっと待って。
それって、何だか…………。
「もぉ〜華音〜。颯真くん強すぎじゃ……って、どうしたの?顔赤いよ?」
「っ!///なっ、何でもないよ!!」
「そう?ならいいんだけど……」
不思議そうにしてる莉奈から慌てて背を向ける。
そしてそっと顔に手を当てる。
「…………あっつ……」
顔が赤いと言われた通り私の頬は熱い。
いつも一緒にいる意地悪な颯真は、この学園の王子様。
女の子に歓声を浴びてニコニコ手を振っている颯真を見るとやっぱり胸がキュッと痛くなる。
…………嫌だ……。
嫌だって、私だけが知っていたいって、そう思う気持ち。
こんな気持ち、知らないよ…………。

