〖分かった。応援してるから頑張って〗


 スマホの画面に可愛げのない文章が映る。


 まさか、何気なく送ったメッセージに返事が来ただけでこんなにも胸が踊るなんて思いもしなかった。


 華音が今どこにいるかは藍斗に聞いて知ってる。


 だから俺はスマホから目を離すと、ある一点を見つめた。


 ステージの上。端っこから少し顔を覗かせて、ちょっとだけソワソワしてる感じの華音がいた。


 莉奈ちゃんもいるけど、完全に藍斗に視線が向いてる。



 いつもなら絶対にありえない。


 でも、周りにギャラリーがたくさんいると言うのに、俺は素の表情で華音へと笑みを浮かべていた。


 その笑みには、「俺が負けるわけねぇだろ?」という意味も込めた。


 その意思にしっかりと気づいたらしい華音は、顔を真っ赤にして恥ずかしそうに顔に手を当てながら後ろを向いた。


 可愛いやつー。


 ギャラリーにバレないように口を隠しながら笑っていると、さすがにクラスの奴らにはバレたようで、どうしたんだ?って顔をされた。


 まあ、そこは上手く誤魔化して俺も軽く何回かシュートを入れる。


 …………うん。今日はすごく調子がいいらしい。