まさか私に送ってきてくれるなんて思いもしなかった……。
まさかのことに何だかむず痒いような、胸がキュッとなるようなそんな気持ちになる。
〖分かった。応援してるから頑張って〗
緊張して少しだけ震える指先で返事を打つ。
シンプルな可愛げのない文章だとは思いつつも、恥ずかしくてそのまま送った。
そして、送ってから颯真がいる方へと目を向けると、颯真もスマホを見ていた。
ソワソワしながら颯真の方を見続けていたら、こっちを向いた颯真と目が合った。
そして、今まで見たことないくらいの甘い顔のままそっと自信ありげに笑った。まるで、俺が負けるわけねぇだろって言ってるみたいに。
「……バカ…………」
いつもはそんな甘い顔じゃなくて、ちょっとバカにしたような笑みしか向けてこないじゃん。
そんな自信ありげな俺様っぽい笑み、ファンの子達にも見せたことないよね?
……何で…………。
「〜〜〜っ///」
颯真の不意打ちの顔に、つい恥ずかしくなって顔を背ける。
あんな甘い笑顔向けられたらさすがの私もどうしたらいいか分からなくなる。
きっと私の顔は真っ赤になっていて、そのことに何となく気づいているであろう颯真は勝ったと思って笑っているのだろう。
悔しい……。悔しいんだけど、それでも颯真を応援したいと思ってしまっている私は、同居生活の中での情が湧いてきてしまったのかな?
無意識に『勝ってほしい』と心の中で思った時、試合開始のホイッスルが鳴った。

