日本の夏は暑い。

ただでさえ高温多湿なのに、近年深刻な問題となっている地球温暖化の影響も相まって、毎年最高気温を更新しているという始末。正に異常事態。

そんな暑い日の過ごし方は、クーラーをガンガンに効かせた部屋で、スイカか棒アイスを頬張るに限る。

肌を撫でるひんやりとした冷気を存分に浴び、いっそ憎たらしいとさえ感じる灼熱の陽射しと青空の輝きを窓の外から眺めながらソーダアイスを口に運ぶ。これぞ至高。原点にして頂点。

家に私一人きりなのをいいことにリビングのソファを占領し、適当にテレビのチャンネルをいじる。たまたま見つけたバラエティ番組に笑っていると、ピーンポーンとチャイムが鳴った。


ったく、誰だよこの野郎。


居留守を使おうか少し迷う。宅配便が来るから受け取っておいてという伝言は特に賜っていない。

けれどあのおっちょこちょいな母のことだ。今更忘れていましたと言われても別に驚かない。いやでもアイス食べたいし、うーん。

結局、アイス片手に立ち上がった。というのも、私が思考を巡らせている間に何度も何度も、急かすようにインターホンが音を立てていたからだ。