「さっき話してて思ったんだけど、湊が穂花ちゃんを嫌ってたのって、えっと……、性格の不一致とか、そんな感じだと思ってる?」
穂花ちゃんが小さく頷く。やっぱり。あの発言からして、そんなことだろうと思った。だけど本当は違う。話してもいいものか、少し迷った。けれど、いつまでも誤解したままでは可哀想だ。
如何にして彼のプライバシーを守り、彼女に真実を告げられるか。その中間層を慎重に探りながら、言葉を続ける。
「そういう訳じゃなくてね。昔、大切な人を失って。それからかな。元々積極的に人と関わるタイプじゃなかったんだけど、周囲の人間を更に拒絶するようになった」
また失ってしまうのが、怖かったのだと思う。
大切な人がいなくなってしまうのを、恐れていたのだと思う。
「昔海難事故に遭った人が、海に近付かなくなったとか、そういう感じ……、なのかな。特に、その人に似ている人を、徹底的に突き放した。きっと、面影が重なるのが辛かったんだと思う」
思い出すだけで、涙が滲みそうになる。刃物で突かれた時のように胸が痛み、瞼の裏にあの頃の彼が現れた。
「そんなに、似てるの……?」
素朴な疑問に、ふっと唇の端だけで笑う。
「どうだろう。顔というよりは、雰囲気かな。纏っているオーラ? みたいな」
穂花ちゃんが小さく頷く。やっぱり。あの発言からして、そんなことだろうと思った。だけど本当は違う。話してもいいものか、少し迷った。けれど、いつまでも誤解したままでは可哀想だ。
如何にして彼のプライバシーを守り、彼女に真実を告げられるか。その中間層を慎重に探りながら、言葉を続ける。
「そういう訳じゃなくてね。昔、大切な人を失って。それからかな。元々積極的に人と関わるタイプじゃなかったんだけど、周囲の人間を更に拒絶するようになった」
また失ってしまうのが、怖かったのだと思う。
大切な人がいなくなってしまうのを、恐れていたのだと思う。
「昔海難事故に遭った人が、海に近付かなくなったとか、そういう感じ……、なのかな。特に、その人に似ている人を、徹底的に突き放した。きっと、面影が重なるのが辛かったんだと思う」
思い出すだけで、涙が滲みそうになる。刃物で突かれた時のように胸が痛み、瞼の裏にあの頃の彼が現れた。
「そんなに、似てるの……?」
素朴な疑問に、ふっと唇の端だけで笑う。
「どうだろう。顔というよりは、雰囲気かな。纏っているオーラ? みたいな」

