涙色に「またね」を乗せて

「違うっ!!」


気が付けば私も叫んでいた。空気が突然の大声に揺れる。乾いた喉を潤すこともしないまま、絞り出すように言葉を続ける。



「違う、そんな理由じゃない。だって穂花ちゃんは……、私の大事な友達だもんっ……!」


「じゃあ何で!」


「だって……。だって穂花ちゃんっ、律樹のことが好きって言ってたのに、湊とも仲良くしてたから……。だから、私ついっ」


「そんなことって、こっちからしたら死活問題!」


「でも、涙衣ちゃんだって同じことしてたじゃない!」


「私が!? いつ? 何処で?」


「差し入れ渡しに行った時! 私だって律樹君と喋りたかったのに、涙衣ちゃんばっかり話してたぁ!」


「た、確かにそうかもしれないけど……。でも、その後すぐに帰ったじゃん!」


「だったら私も、別にそこまで湊君と仲良くなった訳じゃないし、『大嫌い』から『あんまり好きじゃない』に変わったくらいだもん!」




ゼェゼェと、お互いに肩で息をする。そろそろ冗談抜きに喉が限界まで乾いてきた。ペットボトルの蓋を開け、一気に三分の二まで飲み干した。