「駄目だ……、もう駄目だ……」
テストという一つの概念には、三つの地獄が存在する。
一つ目は、テスト勉強。
二つ目は、テスト当日。
そして三つ目はーー。そう、テスト返却だ。
テスト終了後、各教科の授業で返された答案用紙は、目を背けたくなるような結果だった。
半分以上点が取れている科目なんて稀有で、どれも赤点スレスレで、あと一問か二問間違えていたら、本当に大変なことになっていた。
ただ、数学だけは片桐先生のおかげで平均点は取れていた。これからは、あの先生に全教科面倒を見て貰いたい。
名前も覚えていない英語教師の問題解説を聞きながら、ちらりと左斜め前に視線を送る。
昼休み、私は穂花ちゃんに今までのことを謝るつもりだ。
今更許してもらえるかどうかは分からないけれど、それでも、彼女の溜飲が下がるまで何度も謝って、土下座して詫びろと言われたら迷いなく地面に頭を擦り付けるし、何だったら生爪も三枚くらいは剥がす覚悟だ。
ノートに英訳を書き写し、同時進行でガンを飛ばす勢いで穂花ちゃんをチラ見ではなくガン見する。
傍から見ればただの不審者ではあるが、その不審者的行為は僅かな異変も即座に捉えた。
違和感を感じ取り、それが具現化した感情として処理されるより早く、穂花ちゃんの華奢な体躯がぐらりと傾いた。

