そういえば此処、前にも来たことあったっけ。
最後に来たのは、確か小学生の頃だった気がする。あの人がまだ健在で、周囲に眩しい笑顔を振り撒いていた時代。湊と三人でよくバスケをしたり、木登りの競走だってしていた。運動会のリレーの練習も、あの人は快く付き合ってくれた。
私と湊が疲れて休憩し始めると、あの人は折り畳み式のイーゼルを立て掛けて、草花や公園の絵を描いていた。思えば、私が絵を描くようになったのも、あの人の影響だった気がする。
あの頃は幸せだった。明日への不安も醜い感情も知らなくて、悩みといえば給食の献立や宿題くらいで、一日が一秒に感じられるような、純粋で楽しい日々だった。
今も全く楽しくないかと訊かれればそうでもないけれど、それでとやっぱり、あの頃に戻りたいと願ってしまう。
「お姉ちゃん、お姉ちゃん」
足元から聞こえた幼い声に、思考が遮断された。まるで鋏で切ったみたいに。見てみると、バドミントンのラケットを抱えた二人組の女の子が、今にも泣き出しそうな顔で私を見上げていた。
「あれ取れる?」
双子だろうか。お揃いの服に身を包み、ほれぞれビーズの飾りが付いたヘアゴムで、髪の毛を左右に振り分けている。
私もこんなの持ってたな。と懐かしく思いながらブルーのヘアゴムの子が指差した先に視線を移すと、遊んでいる途中に引っ掛かってしまったのか、羽が気の上で束の間の休息を取っていた。
最後に来たのは、確か小学生の頃だった気がする。あの人がまだ健在で、周囲に眩しい笑顔を振り撒いていた時代。湊と三人でよくバスケをしたり、木登りの競走だってしていた。運動会のリレーの練習も、あの人は快く付き合ってくれた。
私と湊が疲れて休憩し始めると、あの人は折り畳み式のイーゼルを立て掛けて、草花や公園の絵を描いていた。思えば、私が絵を描くようになったのも、あの人の影響だった気がする。
あの頃は幸せだった。明日への不安も醜い感情も知らなくて、悩みといえば給食の献立や宿題くらいで、一日が一秒に感じられるような、純粋で楽しい日々だった。
今も全く楽しくないかと訊かれればそうでもないけれど、それでとやっぱり、あの頃に戻りたいと願ってしまう。
「お姉ちゃん、お姉ちゃん」
足元から聞こえた幼い声に、思考が遮断された。まるで鋏で切ったみたいに。見てみると、バドミントンのラケットを抱えた二人組の女の子が、今にも泣き出しそうな顔で私を見上げていた。
「あれ取れる?」
双子だろうか。お揃いの服に身を包み、ほれぞれビーズの飾りが付いたヘアゴムで、髪の毛を左右に振り分けている。
私もこんなの持ってたな。と懐かしく思いながらブルーのヘアゴムの子が指差した先に視線を移すと、遊んでいる途中に引っ掛かってしまったのか、羽が気の上で束の間の休息を取っていた。

