涙色に「またね」を乗せて

翌日、寝不足で腫れぼったくなった顔を俯かせ次の授業の準備をしていると、嬉しそうに頬を染めた穂花ちゃんが、昨日の結果を報告しにやって来た。



「あのね、涙衣ちゃ……」

「ごめん。先生に呼ばれてるから、その話は後で聞くよ」


ふんわりと笑う穂花ちゃんとどうしても目を合わせられなくて、顔を下に向けたまま一方的に告げると、教室を出て休み時間の騒がしい廊下を通り抜け、人気の無い階段の踊り場に座り込む。




「きっついなぁ……」



右の手の甲を瞳に押し当てて、声にならない溜息と共に小さく吐き出す。


心を支配する醜い本音に、何だか嫌気が差してきた。