涙色に「またね」を乗せて

「明日がある。明後日がある。じゃあ逆に訊くけどさ、それは一体いつまで続くの? 卒業するまで? それとも三年になるまで?」


「それはっ……」



忘れていた。



卒業したら、否が応でも進学先はバラバラになるし、来年もまた律樹君と同じクラスになれるとは限らない。何の疑いもなく一緒に居られる時間はわ今この瞬間も確実に減ってきている?


「……後悔ってね、時間が経っても中々消えてくれないんだよ」


ぽつりと、いつの間にか私の隣に座っていた湊君が小さく呟く。さっきとは打って変わって寂しげな表情。それと同時に、悔しそうに握り締めた拳が小さく震えていた。


「あの時ああしていればよかった。こうしなければよかった。そういう公開の積み重ねで、時には自分以外の人が苦しむこともある。正直、君がどうなろうが僕には関係無いけど、その所為で他の誰かが苦しめられるなら、それはあまりにも不憫だよ」


頭の奥に、涙衣ちゃんの顔が浮かび上がった。私の初恋に嫌な顔一つせずに協力してくれた涙衣ちゃん。一方的に自信を無くした私に、精一杯のフォローをしてくれた涙衣ちゃん。

優しい彼女は、仮に私が彼を諦めると言ったとしても慰めてくれるだろう。何か心の奥底で、思うところがあったとしても。

あんな素敵な友達を、私の身勝手で傷付けたくはない。彼女には、輝かんばかりの笑顔の方がよく似合う。


それでも、心からそう思っているとしてもーー。