「二人が練習見に来るなんて珍しいな。どういう風の吹き回し?」
頭の上に疑問符を浮かべる律樹はやっぱり鈍感で、一体何を食べればそんな風に育つのかと問い詰めてやりたくなったけれど、ぐっと堪えて穂花ちゃんの背中を前に押し出す。
「別に、ただの暇潰し」
「ふーん。あ、そうだ。今湊練習中だけど会ってく?」
「えっ、嫌だ」
「即答かよ」
表向きは平成を保ちながらも、心の中ではまたもや怒りの炎が燃えていた。
マジかこいつ。いくら何でも鈍過ぎるだろ。
確かに、彼女だって積極的にアプローチしている訳ではない。だけど、背中に隠れた両の手とか、恥ずかしそうにもじもじと俯いている姿とかから、用件くらいは予想出来るのではないか。怒りを通り越して、最早心配になってきた。
これはもう穂花ちゃんが頑張るしかないなと判断し、即座に口を開く。
「そんじゃ、私疲れたからもう帰るね。また明日」
「え、ちょ……」
「おう、気ぃ付けて帰れよー」
「子供か」
頑張ってね。と未だにパウンドケーキを隠したままの少女に小さく呟いて、早足でその場を後にした。
頭の上に疑問符を浮かべる律樹はやっぱり鈍感で、一体何を食べればそんな風に育つのかと問い詰めてやりたくなったけれど、ぐっと堪えて穂花ちゃんの背中を前に押し出す。
「別に、ただの暇潰し」
「ふーん。あ、そうだ。今湊練習中だけど会ってく?」
「えっ、嫌だ」
「即答かよ」
表向きは平成を保ちながらも、心の中ではまたもや怒りの炎が燃えていた。
マジかこいつ。いくら何でも鈍過ぎるだろ。
確かに、彼女だって積極的にアプローチしている訳ではない。だけど、背中に隠れた両の手とか、恥ずかしそうにもじもじと俯いている姿とかから、用件くらいは予想出来るのではないか。怒りを通り越して、最早心配になってきた。
これはもう穂花ちゃんが頑張るしかないなと判断し、即座に口を開く。
「そんじゃ、私疲れたからもう帰るね。また明日」
「え、ちょ……」
「おう、気ぃ付けて帰れよー」
「子供か」
頑張ってね。と未だにパウンドケーキを隠したままの少女に小さく呟いて、早足でその場を後にした。

