涙色に「またね」を乗せて

確かに、律樹を狙っている子達は皆可愛いとは思う。短いスカートから伸びる足はすらっとしているし、ヘアアレンジも凝っている。おまけに最新流行のモテメイク。揃いも揃って、甘い甘い洋菓子みたい。

けれど、その中で誰より可愛らしいのは穂花ちゃんだし、律樹が嬉しそうなのだって、きっと小腹が減った時用のおやつが貰えるからだ。そうでなきゃ困る。


……何嬉しそうにしてんだよ。馬鹿野郎。



さっきからずっと燻っていた怒りが、堪忍袋の緒を焼き切った。


何で穂花ちゃんの必死の想いに気付かないんだよ。何でこっちを見ないんだよ。お前が今やるべきことは、穂花ちゃんを見付けて駆け寄ることだろうが。早くしろよ。クソッタレ。


私の念力が通じたのか、少し離れたところから見守っていた私達の視線に気付いた律樹が「おーい!」と声を上げて駆け寄ってくる。びくんと、穂花ちゃんの肩が跳ねた。