「それで? 本日はどんなご用件で?」



向かいでもじもじとしている穂花ちゃんに、冗談めかしてにこりと笑う。


急遽開催された、涙衣ちゃんのお悩み相談室。


本日の悩める子羊ちゃんは我が心の天使、その名も愛葉穂花ちゃん。


どんな悩みも、この星崎先生が颯爽と解決して進ぜよう。さあ、話してご覧なさい!



ーー何てふざけてみたはいいものの、実は結構困っている。


何ならこの少女、全く口を開こうとしないのだ。

余程言いづらいことなのか、もう相談があると言われてから五分は経っている。ここは私から話しやすい空気を作るべきか。そう思い、口を開く。


「そんなに躊躇ってるってことは、もしかして恋バナだったりとか? いやぁ、穂花ちゃんもそういうお年頃だもんねぇ」

ボッ。っと音がするように、顔中が一気に赤く染まる。どうやら図星だったらしい。おいおいマジかよ。何て思うより先に、意を決した彼女が「あのね、私……」と切り出した。