蜂蜜色の光が照らす教室で、ぱちりと心地いいまどろみが弾けた。
寝起き特有の気だるさを引きずりながら、虚ろ眼で周囲を見回す。
「あれ、私……」
何でこんな時間まで、教室に残ってたんだろう?
爆睡している間に、記憶が曖昧になってしまったらしい。ポンコツな脳をフル回転させて、過去の記憶を手繰り寄せる。暫し考え込んでから、頭上でピコンと電球が光った。
そうだ思い出した。
確か、委員会中の穂花ちゃんを待っていて、それでそのまま寝落ちしてしまったんだ。
随分と長い間眠っていたらしく、太陽はすっかり傾きかけている。
ゴールデンウィークが明けてからというもの、校庭の桜はその殆どが青々とした葉に代替わりしていて、時折花弁よりもずっと濃い色をしたピンクが、生い茂る緑の隙間からちらりと覗いていた。
これはこれで見ていてやる気が沸くけれど、如何せん今は五月病。やる気よりも鬱屈とした気持ちの方が勝ってしまう。
そろそろ委員会終わったかな。と思ったその瞬間に、絶妙なタイミングで教室の引き戸が勢いよく開いた。
「お待たせっ……!」
余程急いできたのか、少し息を切らしている。
「お疲れ様。帰りクレープ食べていかない? 何かお腹空いちゃった」
チョコバナナクレープが食べたいなという淡い願望は、穂花ちゃんの真剣な眼差しに掻き消された。
「ちょっと、相談があるの」
寝起き特有の気だるさを引きずりながら、虚ろ眼で周囲を見回す。
「あれ、私……」
何でこんな時間まで、教室に残ってたんだろう?
爆睡している間に、記憶が曖昧になってしまったらしい。ポンコツな脳をフル回転させて、過去の記憶を手繰り寄せる。暫し考え込んでから、頭上でピコンと電球が光った。
そうだ思い出した。
確か、委員会中の穂花ちゃんを待っていて、それでそのまま寝落ちしてしまったんだ。
随分と長い間眠っていたらしく、太陽はすっかり傾きかけている。
ゴールデンウィークが明けてからというもの、校庭の桜はその殆どが青々とした葉に代替わりしていて、時折花弁よりもずっと濃い色をしたピンクが、生い茂る緑の隙間からちらりと覗いていた。
これはこれで見ていてやる気が沸くけれど、如何せん今は五月病。やる気よりも鬱屈とした気持ちの方が勝ってしまう。
そろそろ委員会終わったかな。と思ったその瞬間に、絶妙なタイミングで教室の引き戸が勢いよく開いた。
「お待たせっ……!」
余程急いできたのか、少し息を切らしている。
「お疲れ様。帰りクレープ食べていかない? 何かお腹空いちゃった」
チョコバナナクレープが食べたいなという淡い願望は、穂花ちゃんの真剣な眼差しに掻き消された。
「ちょっと、相談があるの」